確定申告で一番嫌なのが、所得税の納付です。
所得税は一年間の所得に対して課せられる税金ですが、フリーランスに当たるUber Eatsの場合は確定申告の際、自分で税額を計算しなければなりません。
副業は雑所得・専業は事業所得として申告
税額=課税所得金額×税額−税額控除で計算
控除できる物が多いほど税金はお得なる!
それではここからは所得税の計算について詳しく解説していきましょう!
計算が異なる2種類の所得税
税額の計算には「総合課税」と「分離課税」の2種類に分けられますが、Uber Eats配達員は総合課税所得に当てられます。
総合課税はさらに事業所得や不動産など7種類に分類され、専業でUber Eatsで配達をしていれば事業所得、副業は雑所得として申請します。
所得税の計算方法
では実際に所得税はどのように算出するのか、例文と照らし合わせながら解説します。
Aさんは専業として都内をレンタサイクルで配達。8月に事故に遭い、12万円の医療費を支払った。年間の売上は400万円だった。
STEP① 所得金額を計算
【所得金額=売上−経費】
配達による年間売上 4,000,000円
配達に関わった経費 101,000円
- レンタサイクル費用 月額5,000円×12ヶ月
- 通信費3,000円×12ヶ月
- ヘルメット5,000円
よって、所得金額は3,899,000円・・❶
STEP② 所得控除額を計算
基礎控除 480,000円(合計所得が2,500万円以下であれば原則誰でも適用される)
青色申告控除(e-tax)650,000円
医療費控除 20,000円(1/1〜12/31の間に支払った医療費が10万円を超えた場合に限る。10万円を超えた分が控除※上限200万円まで)
よって、所得控除額は1,150,000円となる・・❷
STEP③ 課税所得金額の計算
【課税所得金額=所得金額−所得控除】
所得金額 3,899,000円・・❶
所得控除 1,150,000円・・❷
よって、課税所得金額 2,749,000円・・❸
④年税額を計算
【税額=課税所得×税率−税額控除】
2,749,000円(※❸)×10%ー97,500円
よって、税額は177,400円・・❹
課税所得金額 | 税率 | 税額控除額 |
〜195万円 | 5% | 0円 |
195〜330万円 | 10% | 97,500円 |
330万円〜695万円 | 20% | 427,500円 |
695〜900万円 | 23% | 636,000円 |
900〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1,800〜4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円〜 | 45% | 4,796,000円 |
所得税の場合、基礎控除など所得控除に加えて税額控除もあります。上の表に従ってさらに引くことができます。
ちなみに副業は雑所得に当てはまりますが、計算方法が異なります。
税額=(本業の所得+副業の所得金額)×所得税の税率 ※上記の表を参照
⑤実際に納付する金額
2037年まで基礎所得税額に加えて復興特別所得税を併せて負担することになります。
※税額は収入額関係なく加算割合は2.1%となります。
【基礎所得税額(※❹)×復興特別所得税=所得税の納付金額】
174,000円×2.1%=177,654円
よって、Aさんが納める所得税は177,654円となるわけです!
経費・控除の活用で節税に!
先ほども紹介しましたが、所得税については、稼いだ金額が丸々反映されるわけではなく、一定額や条件次第である程度安くしてくれる優遇があります。
多くの人が使えそうな利用例として…
- 基礎控除・・・年間所得2,400万円以内であれば全員48万円が控除(税制改正により38万円から増額)
年間所得が48万円以内であれば所得税が0円となります!従って専業でもそもそも確定申告の必要がないわけです。(副業は20万円以下)
所得税は0円でも住民税は必ず発生するので申告自体は結局したほうがいいです。
- 青色申告・・・確定申告の手段の一つ。一方の白色申告と比べて税金が安くなる反面手続きが面倒なのが厄介。
10・55・65万円控除の3種類(※条件によって決まる)
高くなるほど手間がかかる傾向。
- 医療費控除 ・・・1/1〜12/31の間において合計10万円以上の医療費がかかった人に適用される。本人だけでなく生計を一にする配偶者や親族の医療費にも対応していることがポイント
【計算方法】
実際にかかった医療費−10万円
実際にかかった医療費−総所得金額等×5%
どちらか多い方の額が控除されます。
所得控除については他にも…
- 雑損控除
- 寄附金控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金交渉
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寡婦(寡夫)控除
- 障害者控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
全部で14種類あります。
もう一つ、控除額がそのまま所得税から差し引ける税額控除には
- 住宅ローン控除
- 配当控除
- 外国税額控除
- 源泉徴収税額
- 災害減免額
全部で5種類あります。
控除以外にも、配達に関係のある物については経費として計上することで、さらなる節税も可能です。
せっかく頑張って稼いだのに、多くの税金を支払っていては無駄な働きとなってしまい、もったいないです。
安くなるのであれば使える制度は全部使っておきましょう!
所得税を安くするためにも青色申告を!
上記の内容で理解すれば、実際に確定申告を経て所得税を納税しますが、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
少しでも税金を安くするためにも青色で申告することを推奨します。
青色申告にすると基礎控除額の48万円に加えて、最大65万円の所得が控除され、最大でなんと113万円分の所得税がノーカウントにできます。専業で配達をしている人であれば、かなりの節税になるでしょう!
所得税が安くなってくれる分、白色申告と比べると手続きは面倒ではありますが、昨今は会計ソフトの普及もあり、ハードルは確実に下がっています。
楽にするためにもぜひ活用してみてください!